音楽のある生活

現代はたくさんの音楽に溢れているものの、一人一人の一瞬にとって、選ぶべき音楽に出会うのが難しくなっているように感じています。
例えば、音楽と少しだけ向き合うことで、作品に込められた作者の思いを感じとれたり、メロディーを通じて湧き出す感情が、心の記憶に刻み込まれたり、生活の傍らに音楽が存在する意味の片鱗を、音楽を通じて感じ取っていただけるのではないかと考えています。人と音楽が関わる中で、聞くことの先にある文化としての「音楽」との出会いを見つけていただきたい。
私は、それぞれの音楽を大切に、その歴史や背景から”音楽性”を感じてもらえるような演奏やレッスンを心がけたいと思っています。

「音楽との出会い」は、やはり生の演奏を聴いて頂くことが理想的ですが、現状の日本のクラッシックコンサートは、さまざまな形で ”無料” で鑑賞できることが増えてきました。
音楽が身近になるという良い面はありますが、一方で、演奏者・アーティストの表現に対して正当な対価が支払われるかどうかという構造面での曖昧さを感じています。これはわたしが一人の演奏家として対価を得る得ないの問題というよりも、「良い音楽を、お金を支払って聴きに行く」という文化が失われつつあるという点を懸念しています。
身近になった音楽を、「聞く」から「聴く」へ、そして生音を全身で「感じる」という場へ、音楽の魅力を伝える事で聴き手を誘う事が出来れば、きっとこの文化は守られると信じています。
そんな考えの私ですが、ハープの演奏やレッスンを通じて、微力でもこの素晴らしき文化を維持、発展させていきたいと願うばかりです。

このような思いで活動しておりますので、レッスンにおいては演奏が上手になることや練習の過程で、テクニックだけではなく、その曲の意味や背景という広い世界を楽しんでいただきたいと思っています。
HPを見て(聴いて)くださる方々にも、わたしの演奏やblogを通して、「音楽」という魅力的な世界の一端を感じていただければ幸いです。

「生の音楽に触れる人たちを増やしたい」がキーワードです。
例えば、コンサートの楽しみ方にも、コンサート会場で静かに聴くというマナー等の話だけではなく、出かける前から、「着ていく服をどうしようか?」とか、「どこでご飯食べてからいく?」とか、その日が楽しみになるような「過ごし方」を提案したいと思っています。これは、ある意味では伝統的なものでありますし、ある意味では失われつつあるものです。
私は「音」を「楽」しむのは、耳で聞く事だけではなく、生活を彩り、人生を豊かにしてくれる「体験」そのものなのだという事を伝えられる音楽家でありたいと思っています。

Kumi
HAMADA

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